暮らしの保健室「まちこカフェ」ヤルシェ!

5年前、訪問看護ステーションだった場所が、事業拡大のために引っ越して空いたため、地域の方が集まれる場所になるように、暮らしの保健室「まちこカフェ」を開設しました。「まちこ」は、まちのナースステーション八千代の応援隊長のぶたちゃんの名前です。

「暮らしの保健室」は、現在全国に50か所以上開設されており、6つの機能があります。

①健康に関する「相談窓口」

②在宅医療や病気予防について「市民と学びの場」

③受け入れられる「安心な居場所」

④世代を超えてつながる「交流の場」

⑤医療や介護・福祉の「連携の場」

⑥地域ボランティアの「育成の場」

私たちが、とくに大事にしているのが、③の「安心な居場所」作りです。訪問看護でお看取りをさせて頂いたご利用者さんの家族や、現在、訪問看護を利用中のご利用者さんもいらっしゃいますし、ポスターを見てやって来られた地域住民の方もいらっしゃいます。いろんな経験を持った人たちが集まって、お互い安心してなんでも話し合える場所作りが出来ています。

 私たちは、母体が訪問看護事業所ということで、「病院に行きたいが、何科にかかっていいのかわからない」「がんの治療や在宅療養についてしりたい」「介護保険を利用したいが、どうすれば利用できるのだろうか」など、誰に聞いていいかわからない健康に関する相談を受けることも多いです。話をしているうちに、「安心しました。これからに希望が見えてきました」というお言葉を頂いた時には、本当によかったなと思います。

 毎週水曜日には、ワークショップを開催していて、内容は様々です。まず、健康テーマを決めて勉強会を開催しています。今までに「排便について」「睡眠について」「骨粗しょう症について」「認知症について」など、参加者さんの興味のある内容をテーマに勉強してきました。勉強会では、知識を身につけるだけでなく、参加者全員で話し合うので「なんとなく自分一人で悩んでいたけど、みんな同じなんだとわかって安心した。」「認知症の家族に対して、どう接していいのか悩んでいたが、皆さんに話を聞いてもらえて気持ちが楽になった。」などの感想をいただくこともあります。他にも、手芸が得意な方が編み物やパッチワーク、こぎん刺しなどを教えて下さったり、季節に合わせて梅干しを漬けたり味噌を仕込んだりすることもあります。また、おしゃべりを楽しみたいという方もいらっしゃいますので、特に何もせずにお茶を飲みながらおしゃべりするという日もあります。

 また、不定期ですが、まちこカフェでは、聞き書きボランティア養成講座を開催しています。「聞き書き」とは、人生の先輩であるお年寄りのお話を聞いて、お聞きしたことを一冊の本にしてお渡しすることです。核家族化の進む現代で、お年寄りのお話をじっくり聞く機会も減ってきています。「お年寄りが亡くなると、地域に一つ図書館がなくなる」というくらいで、自分たちの生まれる前の社会、先人たちの苦労、生活の知恵を生の声で聞く経験は、聞き手の人生を豊かにする大変貴重な機会となります。また、語り手に取っても自分の人生をことで自己肯定感を感じ、これからやりたいことを見つける手掛かりになったりします。講座では、「書く」ための「聞く」技術を学びます。

5月からは、まちこカフェをゆりのき台にある訪問看護事業所に場所を変えて開催していく予定です。是非、お気軽に遊びにいらして下さい!また、ボランティアに興味のある方も募集しています。皆さんの特技を生かして楽しくお手伝いをして下さる方、ご自分でワークショップを開催したいという方、お待ちしています!!

 ヤルシェでは、ワークショップで作成した作品や、訪問看護のご利用者さんがリハビリで作成しているクラフトかごの販売をします。一つ一つが手作りで、みんなで楽しんで作った作品です。ぜひご覧になって下さい!

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