キャンドルナイト裏側取材(2) 多文化交流に力を注ぐ!八千代市で活動する皆さん

今年で9回目を迎えるNPO法人わっかの主催イベント「やちよのキャンドルナイト」。市内の団体や幼稚園・学校の子供たちに紙袋に絵を描いてもらい、当日はその中にキャンドルを入れて灯します。

毎年この紙袋に取り組んでいる団体の一つである「アミーゴ日本語教室」は、多国籍の子どもたちが通う日本語教室。今回は、当教室の運営に携わる八千代市国際交流協会 会員の木原さんに、子どもたちの日々の活動やイベントへの思いを取材しました。
また活動拠点である「八千代市多文化交流センター」スタッフの河野さん、管轄の八千代市 シティプロモーション課の駒井さんにもお話を伺いました。八千代市在住の多国籍の方々の暮らしをサポートする皆さんにスポットをあて「多文化交流」をテーマにご紹介します!

※特に記載のない写真はイメージです。

八千代市に愛着を、そしてアミーゴを知ってほしい

-まずは、八千代市国際交流協会 正会員の木原さんにお話を伺います。協会に所属したきっかけを教えてください!

<木原佳弓妃(かゆき)さん/
全国通訳案内士として、訪日外国人向けの旅行案内もこなす>

震災後の2011年から、市内在住の外国籍の方々との交流促進を図りたいと思い入会しました。現在はコロナ禍で国際交流の機会はほぼなくなってしまいましたが、アミーゴ日本語教室は国際交流協会が続けている活動の一つとして応援しています。

八千代市国際交流協会:八千代市で市民主体による国際交流活動を推進している団体。姉妹都市アメリカ・タイラー市との交流活動、在住外国人の方々への日本語指導や語学ボランティア活動など多彩な活動を行っている。

-「アミーゴ日本語教室」はどういうところですか?

八千代市在住の外国籍の小中高校生の子どもたちが日本語を学ぶ場です。日本語ボランティア部会のメンバーにより、毎週土曜日に「多文化交流センター」にて教室を開いています。

<とある日の教室の様子。この日はオンラインも含め6名が参加。みなさん楽しそう>

コロナ以前は30名程通っていましたが、現在は、5か国のお子さんが10名程通っていらっしゃいます。日常会話に加えて文章を書く練習など、「読む・書く・聞く」全てを組み込んだカリキュラムで進めています。時折、早口言葉折り紙などで飽きさせない工夫もしていますよ。

-キャンドルナイトに関わるようになったきっかけは。

地域のイベントに参加することによって、子供たちが自分の住んでいる街に少しでも愛着を感じてもらうといいかなと思って参加をお願いしました。地域の方々にもアミーゴの存在と活動を知ってもらうきっかけになればいいと思っています。

写真は昨年の紙袋ですが、みなさん色とりどりに思い思いの絵を描いてくれました。中には貼り絵のような感じで仕上げてくれた作品も印象的でした。今年も楽しみですね!

アミーゴ日本語教室

教室インフォメーション(八千代市HPより)(PDF: 英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語)


多文化共生に向けての活動

子どもたちだけでなく、多国籍の方々へのサポートも気になるところです。アミーゴ日本語教室の活動拠点である「八千代市多文化交流センター」について担当者の方々にお話を伺いました。

<八千代市役所 企画部 シティプロモーション課 駒井翔一さん>
<八千代市多文化交流センター 河野浩美さん>

-八千代市多文化交流センターについて教えてください!

河野さん: 多文化共生社会に向けて、市内在住の外国人サポート事業として2010年10月に開所しました。

<八千代市多文化交流センター(八千代市村上団地内 中央商店街)>

当時は、千葉のサンパウロと言われるほど村上団地には多くのブラジル国籍の方々がいらっしゃいました。現在は、コロナ禍の影響もあり少なくなっていますが、八千代市には約80か国の国籍の方が6000人程在住していらっしゃいます。村上団地に住む方々をはじめ、近隣在住の方々の生活全般についての相談やサポートを中心に活動をしています。

<相談ブース。毎日5、6人は相談に来られるそう>

開所日の13時~16時は、スペイン語・ポルトガル語・英語の専門通訳者がいますが、その他の言語に関してはポケトーク(翻訳機械)で対応させていただいています。

-どういった相談が多いのでしょうか?

河野さん: たとえば「引っ越しするから電気を止めてほしい」など、公共に関することは多いです。お子さんさんがいらっしゃる方は入学手続き等の質問は多々あります。入学時は準備することや書類も多いので、具体的にわかりやすいように実物も展示しています。

<展示された学用品>
<学校での生活についてのガイドも掲示している>

駒井さん:入学に関しては、”日本語を母語としない親子のための学校制度説明会”も毎年行っています。日本の学校生活、入学準備の説明や外国語表記の資料配布、質問への対応など、一人あたり30分程度で参加無料です。今年度は1月15日(土)と29日(土)に開催を予定しています。

<自治体から配布するプリントの翻訳なども置いています>

-多国籍の方に知っていただきたい役立つ情報はありますか?

駒井さん:メール配信サービスです。市より地震・防災・健康に関する情報など生活に役立つ情報を配信しています。配信言語は英語・中国語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語・ベトナム語の6か国語です。

東日本大震災の際は母国語での情報がなく、不安を感じ帰国された方もいらっしゃいました。発信頻度は月に1~2回、防災情報に関しては警報が出る度に配信されますので、ぜひこちらのメールも役立てていただけたらと思っています。現在は300人以上の方が登録しています。

-多文化共生に向けいろいろな活動があることを初めて知りました! シティプロモーション課はどんな活動をされていますか?

駒井さん:シティプロモーション課は3年前に出来た新しい部署です。多文化共生事業の他に平和事業や街のプロモーション(PR)事業、イメージキャラクターの「やっち」も担当しています。近年、全国各地の自治体でSDGs(持続可能な開発目標)に取り組んでいますが、多文化共生はSDGsを達成するために重要な要素だと感じています。

-市内在住の外国籍の方々へお伝えしたいことがあればお願いします。

河野さん:多文化交流センターでは、いろいろな相談を聞きますのでお気軽に立ち寄っていただきたいですね。

-貴重なお話本当にありがとうございました。

キャンドルナイトに関わる方々の取材で思わぬ発見をさせていただきました。「アミーゴ日本語教室」をはじめ、八千代市内では行政、民間ともに積極的に多文化交流活動に取り組んでいらっしゃいます。まだまだ認知度は低いように感じますが、もっと多くの方々に届いていくことを願います。

八千代市多文化交流センター

八千代市村上団地2-9-103 電話・ファクス 047-487-6310
午前9時〜午後5時(通訳の勤務時間は午後1時〜4時)
閉所日:毎週日曜日、祝日、12月29日~1月3日

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